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神経筋接合部の病気

Inclusion Body Myositis

重症筋無力症

Myasthenia gravis

疾患の概要:

抗アセチルコリン受容体抗体が神経筋接合部における伝達を阻害することによっておこる疾患。症状は変動する筋力低下を示し、抗コリンエステラーゼ薬が有効である。他の自己免疫疾患を合併することあり。特に甲状腺機能亢進症の合併が多い。

頻度:

有病率は人口10万あたり3。
発症は15歳-60歳。
20歳頃がピーク。
40歳以前は女性の頻度が高い。

病因:

自己抗体は多クローンpolyclonalで胸腺や末梢リンパ組織で産生される。
阻止抗体(アセチルコリンの受容体への結合を阻止)結合抗体(受容体に結合し神経筋接合部の構造を破壊)に分けて理解される.
胸腺には肥大、腫瘍(悪性、良性)がみられることが多い。
筋様細胞myoid cell(筋の形態的特徴とアセチルコリン受容体を持つ)が抗原提示を行っている可能性がある。

病理:

胸腺70%に肥大、10%に腫瘍。
光顕的には骨格筋にリンパ球浸潤がみられることがあるが特異的ではない。
電顕ではシナプス間隙の開大とsynaptic foldの消失が認められる。

症状:

1)変動する筋力低下(日内変動:夕方になると悪化 運動によって増悪 安静によって改善)。
2)眼筋麻痺(複視)や眼瞼下垂85%にみられる(初発症状としては40%)。ついで顔面筋、舌、咽頭 筋の麻痺が多く、四肢筋の麻痺は普通単独ではみられず、脳神経領域の筋の麻痺と合併して出現。
3)急激に呼吸筋麻痺をおこすことあり(クリーゼcrisis)。
筋無力症性クリーゼmyasthenic crisis:
アセチルコリン不足、テンシロンテストで改善
コリン性クリーゼcholinergic:
抗コ薬による治療中でアセチルコリン過剰、テンシロンテスト不変ー悪化

テンシロンテスト:

edrophonium1-10mgを静脈注射(初めに2mg、30秒待って反応をみて、3mg追加、また30秒反応をみて5mg追加というように少しずつ投与)。症状が劇的に改善すれば陽性。診断の確定、抗コリンエステラーゼ薬投与量の決定、クリーゼのタイプの診断。

診断:

1)典型的な変動する筋力低下、易疲労性から疑う。
2)テンシロンテストで明らかに陽性であれば容易に診断。
3)血清抗アセチルコリン抗体高値。
4)誘発筋電図 3-7c/sの刺激で振幅の漸減waning。
診断が確定後、胸部CTで胸腺腫および胸腺肥大のスクリーニング。

治療:

1)経過を変更する治療(根本的) 胸腺摘出術、ステロイド、免疫抑制剤。
2)経過を変更しない治療(対症的) 抗コリンエステラーゼ薬、血漿分離交換plasmapheresis。
診断がつき次第抗コリンエステラーゼ薬を開始。
症状が眼筋に限局しない場合は胸腺摘出が一般的。
効果不十分であればステロイドや免疫抑制薬を使用。
必要あれば手術前に状態の改善を目的に血漿分離交換。

クリーゼの治療:

適切に治療されないと死亡する危険。
1)気道の確保、人工呼吸。
2)テンシロンテストで筋無力性かコリン性かを判断
3)前者→抗コリ ンエステラーゼ薬を追加
4)後者→経過を見る(自然に軽快)
5)気道感染に注意。

抗アセチルコリン受容体抗体陰性の重症筋無力症

重症筋無力症の20%程度は抗アセチルコリン受容体抗体が陰性(seronegative MG)。その20-70%にMuSK(筋特異的チロシンキナーゼ)に対する抗体を認める。
1)18歳から60歳くらいの女性が大部分、
2)眼筋麻痺に加えて、球症状(構音障害、嚥下障害など)や呼吸筋麻痺を呈しやすい、
3)筋萎縮を伴う頻度が高い、
4)クリーゼになりやすい、
5)抗コリンエステラーゼ薬の効果が不安定、
6)胸腺腫の合併なく胸腺摘除無効などの特徴をもつ。

Eaton-Lambert症候群

Eaton-Lambert syndrome

頻度:

まれ。ほとんどの症例で気管支oat cell cancerにともなう。男>女。

病因:

電位依存性カルシウムチャンネルvoltage dependent calcium channelに対する自己抗体。ニコチン性およびムスカリン性の神経終末からのアセチルコリン顆粒の放出数が減少。

検査:

誘発筋電図 10c/s以上の神経反復刺激で誘発される筋活動電位が漸増waxingパターン。

症状:

四肢近位筋優位の筋力低下。口渇感や発汗低下などの自律神経症状も伴うことあり。

治療:

3,4-dimaminopyridine、guanidine、ステロイド、免疫抑制薬、抗コリンエステラーゼ薬。

ボツリヌス中毒

Botulism

ボツリヌス毒素によるニコチン性およびムスカリン性の神経終末からアセチルコリンの放出阻害。

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